住宅情報誌・元編集長の本音トーク

第13回『30代、初めてのマイホームを。中古リフォームでお得にする方法』

プリンシプル住まい総研 所長:上野 典行 氏

『30代、初めてのマイホームを。中古リフォームでお得にする方法』

講師
プリンシプル住まい総研所長 : 上野 典行 氏

 初めてのマイホーム購入に当たり、「低金利だから、今が買い時」と言われるものの、なかなか貯蓄は増えず、新築住宅では予算に見合った住宅物件が見当たらない。とはいえ、中古住宅物件を見ていても、何か気分がワクワクしない。
 そんな初めてマイホームを購入検討している30代を中心に、中古住宅を買ってリフォームする「中古リフォーム」という選択が増えています。

上野 典行 氏

新築住宅は、なかなか手が出ない。

 住宅統計調査によると、30代前半でマイホームも持つ世帯は28.9%となっています。30代後半では46.1%となり、40代前半で56.0%となっています。いずれにしても、働き盛りである30代は、マイホーム購入世代であると言えます。

 例えば、「フラット35」という住宅ローン商品があります。35年間金利が変わらないという謳い文句の、このローンを35年間払い続ける事を考えると、30歳で家を買った場合、65歳まで払い続ける事になります。40歳で家を買った場合は、75歳までローンが続くという事です。こうした長い支払期間を考えると、若いうちにマイホームを買った方が、家賃を払い続けるよりも合理的ですし、老後の心配がそれだけ減ると言う事になります。

 とは言え、平成25年の国税庁による「民間給与実態統計調査」の結果によると、30代前半男性の場合、年収額の平均は438万円となっています。一方、30代の2人以上世帯の貯蓄額の平均は600万円となっています。年収より多めの貯蓄がある世帯が多いものの、新築住宅の購入を都心で考えると、決して十分な金額とは言えません。

新築住宅で、5,800万円エリアでお得に買う方法。

 例えば、神奈川県の田園都市線沿線エリアでマイホームを持ちたいと考えて、間取りや駅からの距離等を吟味して、新築住宅物件を探すと約5,800万円です。この金額では、ちょっと手が出ないと言う30代は多いです。では、頭金が貯まるまで、もう少し時間を掛けて待つ方が良いのでしょうか?。

 しかし、その間も賃貸住宅物件に家賃を払い続ける事を考えると、やはり損をしている気がします。では、もっと遠くのエリアならどうかなぁ?と、もっと郊外に行って探してみると、何とか手が届く物件がありました。こうして親たちの世代は、どんどん郊外に家を建てて、長い通勤時間を掛けては会社に通い続けて来ました。でも、そうまでして新築住宅にこだわって、本当に良かったのかどうかは分かりません。

 では、中古住宅物件ならばどうでしょうか?築年にも寄りますが、例えば3,620万円で購入が可能な中古住宅物件があります。これならば、同じ広さのマイホームを、手に入れる事が出来ます。ただし、どうしても築年は古くなってしまいますから、建物そのものに対する魅力は、それほど感じられません。そこで、この中古住宅物件に、約1,200万円を掛けてリノベーション(中古リフォーム)して暮らすのです。冒頭で申し上げた「中古リフォーム」という選択肢です。これならば、新築よりも約1,000万円も安くなりますし、しかも室内はピカピカで思い通りの物件に住めるのです。

中古リフォームするなら、自分らしい暮らし方を。

 例えば、千葉市を例に考えてみましょう。新築の戸建て住宅で、170平米で8,200万円台と、140平米で4,000万円台の魅力的な物件があったとします。ただ、希望するエリアにそうした分譲住宅が建てられれば良いのですが、なかなか希望の場所を選ぶ事が出来ません。自分の住みたい場所に、必ずしも新築住宅の供給が有るとは限りませんし、建売住宅物件がほとんどですから、建物そのものはプラモデルの様に既製品であり、自分の好みの間取りが注文出来るという訳ではありません。

 しかし、中古住宅物件であれば、250平米の一軒家が2,500万円台で売られています。築年は17年です。もちろん、そのまま住むには、新築住宅に比べて見劣りします。しかし1,600万円掛けてフルリフォームすれば、決して新築に見劣りするモノではありません。しかもリフォームのプランを検討する時には、キッチンはこうしたい、間取りはこうしたい、といった具合に、予算に応じて希望を取り入れる事が出来ます。

 自分らしい暮らし方を、自分らしいエリアで考えると、「中古リフォーム」は、とても賢い選択肢であると言えるのです。

 「料理が好きだから、たくさん友達を呼んでパーティが出来るようにしたい!」、「リビングを通らないと、子供部屋には行けない様にして、家族みんなの接点を大切にしたい!」、「パパが一人籠って仕事が出来るテーブルが欲しい!」、「ママがみんなを見ながら家事をしたい!」といった自分らしい暮らし方を反映するには、「希望に合致した新築住宅を探して選ぶ」のも良いですが、条件に合致した新築住宅物件に出会える確率は低いものです。それよりも、「中古住宅物件で、暮らし方に合わせた中古リフォームを選ぶ」という考え方は、逆に、とても賢い選択と言えるのです。

中古住宅物件の正しい性能評価を。

 ただし、中古住宅物件の場合は、耐震性能はどうなのか? 安心・安全に暮らせるのだろうか? といった不安も同時に思うはずです。従って、第三者の目でしっかりと性能評価された物件を購入する事をお薦めします。新築住宅の場合は、物件に瑕疵(かし=何らかの欠点や過失)があれば、10年間は治す為の保険金が下りる瑕疵担保期間が定められています。しかし、中古住宅の場合は、これに該当しません。そこで、第三者機関によるホーム・インスペクション(住宅診断)を行う事が大切なのです。そして契約前に、売り主側の瑕疵担保責任の有無を確認しておく事も重要です。

 また、リアリエ・サイトの様に「中古住宅物件を探す」事と、「その中古住宅物件のリフォームプラン提案を見る」事は、同時に行なうと良いでしょう。

 これを、バラバラに行なうのはとても難しいです。「一旦、中古住宅物件を買ってから中古リフォームの見積りを取る」という行為は、素人には、リスクしか有りません。なぜなら、複数の不動産会社と複数のリフォーム会社とを比較判断する事から始まり、不動産会社とリフォーム会社が別会社である場合は様々な調整と手続きがそれぞれ発生し、住宅診断を希望しても対応してくれない場合があり、更には、住宅ローンとリフォームローンを別々に組まねばならないので銀行の審査が難しくなり、結果的に、2つのローン(中古住宅購入+中古リフォーム)によって月々の支払い金額が増えてしまう可能性があるのです。

 上手く、このリアリエ・サイトが提案する「中古リフォーム」を活用して、たくさんワガママを言って、自分に合った暮らし方を手に入れて行きましょう。

※なお、リアリエ・サイトでは、用語を以下の様に使い分けています。
【リフォーム】:水回り設備を新しい設備に入れ替えたり、壁や天井のクロスを貼り替えたりする事で、室内を新品の状態にする施行。
【リノベーション】:内装材を剥がして、構造体が見えるスケルトン状態にした上で、間取り変更を伴う大規模な改修を伴う施行。

上野 典行(うえの のりゆき)氏

講師の経歴:上野 典行(うえの のりゆき)氏
プリンシプル住まい総研 所長

リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。
「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。
「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。

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