匠のリフォーム

第1回建築デザイナーが家づくりにかかわる、ということ。

江口 惠津子(ヴェルディッシモ)

リフォームの可能性は無限大。

リフォームの仕事に携わるようになって18年になりますが、以前はリフォームといえば「修繕」というとらえ方が大半でした。けれど最近はお客さまの意識もずいぶん変わってきていますね。リフォームの可能性ってとても大きくて、新築と同様、やはり生活をどれだけ楽しく豊かなものにできるかということが究極のテーマなんです。頑強な構造体を生かしながら、わが家の長所や家族の思い出を大切に、以前よりも素晴らしい住空間を創り出していく。もちろん新しい機能や素材を積極的に取り入れて、より一層快適性も高めます。
「人生が楽しくなるような住空間づくりを」といつも提案していますが、リフォームは、これからのくらしを魅力的にする、とても有効な方法だと思いますね。

想いをかなえるリフォーム例1:
オープンなキッチンを明るい南側へ。テラスとも一体化する、開放的な空間です。

家全体を見直す。発想を転換して、今も将来も楽しく暮らす。

リフォームを成功させるには、まず、大きな目で全体的にとらえることです。講演の後、個別にご相談にのる機会がありますが、どうしても今の間取りをベースに考えられている方が多いんです。例えば、キッチンが古くなったから変えたいとお考えの場合、私はそのキッチンが北側にあるなら、キッチンを日差しが入る明るい南側のスペースにされてはいかがですか、という提案をよくします。そうすると皆さんとても驚かれるんですね。もちろん予算的なことはありますが、部分だけでなく家全体を見直してみる、そんな発想の転換がリフォームには大切なんです。
そして時間的にも、10年、20年と家族構成やライフサイクルが変化していくわけですから、今も将来も楽しく生活できることを長期的に考えたいものです。

想いをかなえるリフォーム例2:
洗練されたインテリアが美しい、明るく開放的なLDK

建築デザイナーとお客さまとのコミュニケーションが育む「匠のリフォーム」。

同じスペースの中でも、今までとはまったく違うくらしの楽しみを生み出す、それがリフォームの醍醐味です。そのスタートであり、重要なポイントとなるのがプランニングです。では、満足のいくベストなプランニングのために必要なことは何でしょう。それは、まず最初の打ち合わせでいっぱいお話をしていただくことです。具体的な要望はもちろん、漠然としたイメージでも構いません。あるいは、家事をしていて、ふと思いついたような、日々の生活の中で感じるさまざまなこと。また無理かなと思うような「想い」をお話ください。そして、変えたいことだけでなく変えたくないことを伝えるのもリフォームでは大切です。どんなに小さなことでも情報が多ければ多いほど、私達プロはそこから発想を広げプランニングの可能性も大きくふくらみます。そうしてできあがった最初のプランをもとに、さらにコミュニケーションを重ね、ベストなプランに磨きあげていくのです。

想いをかなえるリフォーム例3:
広い土間と曲線デザインが斬新な玄関ホール

匠の紹介:江口惠津子(えぐち えつこ)さん

建築デザイナー、インテリアコーディネーター、(株)ヴェルディッシモ代表。慶応大学卒業後、専業主婦を経て、インテリアリフォームの世界に従事。「大改造!!劇的ビフォーアフター」(テレビ朝日)や、「ソロモン流」(テレビ東京)の出演など各方面から注目を集める。コラム執筆やパナホームのリフォーム・セミナーの講師を務めるなど多彩に活躍。著書に『わが家のスローリード・リフォーム』(PHP)がある。

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